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2019 9.17-9.23 

OPEN 

WEEKDAY   15:00-22:00

HOLIDAY    14:00-21:00

OPENING PARTY   17TH  18:00-

写真集「あのコノ世」(赤木楠平)出版のご案内  TANG DENG Co. 2019.8

写真家・赤木楠平による初の写真集「あのコノ世」を弊社TANG DENG Co.より出版致します。  赤木楠平は、日本大学芸術学部を卒業した後渡英し2008年に帰国、現在までに数十件以上の展示を開催するなど精力的に活動する写真家です。 独自の手法で光をドキュメントした”Kenko健光”、偶発性をテーマに撮られた多重露光写真”Zenzen”など、 ユニークなアイデアに基づく冒険的な作品を数多く制作しています。  以下は故・林文浩氏(DUNE編集長/THE LAST GALLERY代表)によって、 赤木の個展”HANDBAG”(2010,THE LAST GALLERY,TOKYO)に寄せられたイントロダクションです。 今なおフレッシュなテキストとなっておりますので、紹介させていただきます。 赤木のクリエイションを深くご理解いただく一助となれば幸いです。    ー今回、開催される赤木楠平の展覧会“HANDBAG”は、今迄の彼のイメージを変化させ、彼が非凡な写真家であることを再認識させるものになるはずだ。 少年時代をサウジアラビアやシンガポールで過ごし、青年期を東京とロンドンで遊んだ彼は、言うなれば、現代版の遊牧民で、日本に対する愛着や感覚は我々とは大きく異なる。どの国にいながらも、彼は常に異端であり、自らの文化へのオリジナリティーを喪失して育まれた特殊なクリエイティビティーは、漠然とした祖国の文化への憧憬と戸惑いであり、暗中模索的な日本文化への回帰でもある。30歳迄、真剣に死を厭うこともなく遊び呆けることによって形作られていった彼の写真に対する感覚は、現実と幻覚が渾然と交差する、限りなく快楽死に近い映像であり、死の誘惑に似た限りなく透明な色彩である。死の直前に誰もが最後に見る色彩。安息の色。そう思いたくなる吸い込まれそうな細やかな色彩美。肉体と精神の臨界点で経験した魔術的なイマジネーションが、最近の写真界で流行する、単なる抽象画的な写真との凄まじい違いである。 今や東京の街は、一方的に発信される広告ビジュアルの視覚的暴力に犯され、心安らぐ美しい色彩を失った。どこを見ても利潤追求を目的にしただけの、下品な赤、黄、青、ピンクなどの原色で覆われてしまった。しかし、“HANDBAG”は、拝金のバビロンから遮断された別世界だ。万葉集の時代から日本人が愛してやまない繊細な色彩のグラデーションで溢れている。不毛の砂漠の中のオアシスだ。人間は外側に出なければ内側は分からない。真逆の立場に立って初めて自分の本質が分かる。赤木楠平が若き日に選んだ、破滅的な快楽の日々、死が日常のトレインスポッティング的な世界から彼が得もたのは、実はあまりにも日本的な“死にぞこないの美学”だったのではなかろうか。

 

THE LAST GALLERY 代表 林 文浩

『あのコノ世』赤木楠平

 

仕様/B4,コデックス装,64P,フルカラー(カレイドインク)/オフセット

価格/8,000円(+税)

エディション300部,著者ナンバリング,オリジナルステッカー封入

ISBN/978-4-908749-17-9 

赤木楠平

77年生まれ

帰国子女 巳年 写真か? 日本大学芸術学部卒業後渡英。 2008年帰国。The Last Gallery、麴町画廊、combineなど、精力的に展示活動を続けている。独自の手法で光をドキュメントした”Kenko健光”、偶発性をテーマに撮られた多重露光写真”Zenzen”など、ユニークなアイデアのもと冒険的な作品を多く制作している。近日では、初の映像作品”Lights&Music”を’united future organization’矢部直と共同で制作。美しい色彩は彼の特徴であると言えるだろう。 

http://nampei.tumblr.com/profile

 

17日のopening party開催前に、

高山真友子 OPEN SENSE WORKSHOP

ヨガのワークショップを開催します。

赤木楠平 

故展 タナトス、、、

彼の新しい写真集に目を通したときに、浮かんできた心情はその世界に存在した。 彼の作品に一貫している、故林文浩の言葉を借りれば「肉体と精神の臨界点で経験した魔術的なイマジネーション」が今作ではより色濃く深遠となっていて、ページをめくる私は「死」を憶える、いや矛盾しているようだが「死の中に浮かび上がる生」。タイトルを見返すと「あのコノ世」。なるほど。タナトスとは、ギリシャ神話でいうところの、死そのものを神格化した神であり、ニュクス(夜)の息子でヒュプノス(眠り)の兄弟。現代私たちが生きていて、死を意識することは少ない。人は簡単に殺し殺されて、ニュースでそれが毎日流れているにも関わらず、それは逆に私達にとって他人事にし、街ではただ明るいバカ騒ぎが繰り返されている。私達は誰でも死を迎え、周りの人間も同じようにそうであるというのに。赤木楠平の写真に匂い立つ臨界点で見られるかもしれない風景、その深い色彩、暗い明るさ、生々しさは、そんな軽卒さへの真摯な警告だ。死を感じて初めて生は意識される。現時点私達の肉体は生きている、血流が脈打ち、欲望がある。彼の写真に浮かび上がる生は、とても放埒的で、ページを閉じた時その放埒のみが見る者に宿る。時として、一旦死を感じ自分の生と向き合うことは、とても大事なことなんじゃないかと思います。 

高山真友子 OPEN SENSE WORKSHOP

「感じる」ということを肉体を通して、もっと強く深く探求するワークショップです。 感じるっていうのは生きていなければできないこと、生きている身体と感性がなければできない。つまり生きるってことです。 今生きるってこと。歩く、自分の足を使って歩く、そのときに、自分の足の裏はどうやって床を感じるだろう、どうやって床をとらえてどうやって床を蹴って、どんな形の足裏が床に跡をつけるのか。 背骨を自由に動かしてみる、いろんな方向に、水のなかだとしたら?腕はその惰性でどう動くだろう遠くのエネルギーまで感じて、そこが砂漠だとしたら?距離を感じる、空間を感じる、そのときに身体はどう反応するだろう、考えずに、委ねる。 いつの間にか空間に溶けていく、作品と自分が同化していきます。 たくさんのイメージを使って身体を自由にしていきます。普段私はヨガを教えているけれど少し似ていて、でも今回のワークショップではさらに躍動を加えて、自分を空間のなかにいる一つの個性っていうとてもシンプルな状態にしていきます。 みんながそうなったとき、私達は赤木楠平の作品のエネルギーの中を泳ぐ生きた細胞達になります。

 

高山 真友子

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